「耐震改修」というと構造体にいろんな補強を入れて
建物を頑丈にするイメージがあります。
現在弊社では国の官舎にて耐震改修工事を行っており
ますが、補強して「剛性」を高めるのではなく地震時に
荷重が集中する部分を広げて「靭性」を持たせる手法
で耐震性能を高めております(^^)/
これはΦ32の孔を連続して空けて最終的にスリットを作る
作業です。
上記のように鉄筋コンクリート造の柱に対して窓等の開口部
に最もせん断力が加わって脆性破壊する危険性があります。
この柱に沿って耐震スリットを設けることで地震せん断力の
一極集中を防ぐということです。
スリットが出来てしまうとパッと見こんなものか?と思われ
がちですが、このスリットの位置を決める際には黄色いテープ
で記されているように非破壊検査を行って壁体内の鉄筋の位置
・深度を確認したうえで決定しています。
また、どれぐらいの深さのスリットにするかを決めるために
各階で穿孔貫通した供試体を採取して壁の断面を確認したうえで
スリットの深さも決定します。
全てが経験や勘ではなく、根拠に基づいて粛々と進めるのが
民間工事だけを行っている会社と弊社の大きな違いでしょうか。
またこういった根拠を示すことが高い品質管理ということです☆