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2024.10.30カテゴリー : Works

現代の木造在来工法について考察

2階建ての住宅では「通し柱が重要だ!」という

ことを構造に無知な人が枕詞のように訴えており

ます。そんなことで今日は大先輩の一級建築士と

考え方の相違について議論してみました。

大先輩曰く、「通し柱は絶対に四隅に配置すべき」

でなければ建築基準法違反になるとのこと。

私の認識は「通し柱と同等の強度を補強により確

保すれば必ずしもこの限りではない」

〈建築基準法第43条5〉という考えで、特に

三方向以上の梁を差し込む柱は隅角部であっても

通し柱は採用しません。

【理由として】

① 一般住宅で使用される4寸角(120mm)では

  断面欠損が1/3以上となる

② 断面欠損が大きいと水平方向に対する座屈が発生

  しやすくなる

③ 現在のプレカットの仕口では断面欠損部の強度低下

  を担保できない

では、このような部分をどのように補強するのか?

スジカイとホールダウン金物。構造用合板により補強

します。

現代の在来工法の住宅はこのような仕組みで強度を

確保しつつ、耐震設計も取り入れてより安全・安心

な住宅を作ることが当たり前の世の中となりました。

そんな中で、「通し柱は四隅に配置すべき、四隅に

通し柱の無い家を設計するのが我が社の仕事という

ことでいいのですね?」と念を押されたため、

「その通りで結構です!」と応えましたが、恐らく

大先輩はこの通し柱の断面欠損について理解が出来

てないでしょうから、いい加減な設計をしているよう

な伝わり方になるでしょうね。

そんなことを考えていたら眠れなくなってブログを

更新している次第です。。。(;^ω^)

というのも、大先輩曰く「私はこのような設計の家に

住みたくない」と言われたことが、これまで家づくり

の最高の形を追究し、県外での実績を合わせると

400棟以上の家づくりに携わってきた私のプロセス

を全否定されたようで、大きなショックを受けました。

でもしかし、これは大先輩の無知によるものなので、

そこを慮れば済むことです。

ただ、未だにこのような考えで仕事をしている建築士

がいることも問題かなぁと。

頑固=職人気質(craftsmanship)ではありません。

本物の職人気質とは自分の経験だけに凝固まること

なく、常にユーザーのために柔軟な思考で新たな価

値観も受け容れる人が本物のcraftsmanと確信します。

なので、理解できない人に解らせる労力を使うぐらい

なら、自分の知見を広げる時間を優先してまいります。

来年は革新の年になりそうです!(公私ともに)

 

 

 

 

 

 

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