2階建ての住宅では「通し柱が重要だ!」という
ことを構造に無知な人が枕詞のように訴えており
ます。そんなことで今日は大先輩の一級建築士と
考え方の相違について議論してみました。
大先輩曰く、「通し柱は絶対に四隅に配置すべき」
でなければ建築基準法違反になるとのこと。
私の認識は「通し柱と同等の強度を補強により確
保すれば必ずしもこの限りではない」
〈建築基準法第43条5〉という考えで、特に
三方向以上の梁を差し込む柱は隅角部であっても
通し柱は採用しません。
【理由として】
① 一般住宅で使用される4寸角(120mm)では
断面欠損が1/3以上となる
② 断面欠損が大きいと水平方向に対する座屈が発生
しやすくなる
③ 現在のプレカットの仕口では断面欠損部の強度低下
を担保できない
では、このような部分をどのように補強するのか?
スジカイとホールダウン金物。構造用合板により補強
します。
現代の在来工法の住宅はこのような仕組みで強度を
確保しつつ、耐震設計も取り入れてより安全・安心
な住宅を作ることが当たり前の世の中となりました。
そんな中で、「通し柱は四隅に配置すべき、四隅に
通し柱の無い家を設計するのが我が社の仕事という
ことでいいのですね?」と念を押されたため、
「その通りで結構です!」と応えましたが、恐らく
大先輩はこの通し柱の断面欠損について理解が出来
てないでしょうから、いい加減な設計をしているよう
な伝わり方になるでしょうね。
そんなことを考えていたら眠れなくなってブログを
更新している次第です。。。(;^ω^)
というのも、大先輩曰く「私はこのような設計の家に
住みたくない」と言われたことが、これまで家づくり
の最高の形を追究し、県外での実績を合わせると
400棟以上の家づくりに携わってきた私のプロセス
を全否定されたようで、大きなショックを受けました。
でもしかし、これは大先輩の無知によるものなので、
そこを慮れば済むことです。
ただ、未だにこのような考えで仕事をしている建築士
がいることも問題かなぁと。
頑固=職人気質(craftsmanship)ではありません。
本物の職人気質とは自分の経験だけに凝固まること
なく、常にユーザーのために柔軟な思考で新たな価
値観も受け容れる人が本物のcraftsmanと確信します。
なので、理解できない人に解らせる労力を使うぐらい
なら、自分の知見を広げる時間を優先してまいります。
来年は革新の年になりそうです!(公私ともに)